私を作ってくれた人

23年前の秋、
あるトークショーの司会を
させて頂きました。

話を伺うのは
秋山道男さん。
肩書きは魅力創造プロデューサーと
ありました。

仕事を始めたばかりの
不慣れな私は
残念ながら
秋山さんとの最初で最後の
共演イベントの内容を
ほとんど覚えていません。

唯一記憶に残っているのは
秋山さんに将来への不安を
相談した女性客が号泣した時
秋山さんの言葉が静かに優しく
会場全体を暖めたこと。

真渓ハナ
という名前を
秋山さんに付けて頂いたのは
そのイベントから1ヶ月後。

「チェッカーズや
小泉今日子さんの
プロデュースもされてきた
秋山さんの1番の駄作ですね」

そう私が言った時、
ニヤっと少し笑って
ガレットを小皿に
取り分けて下さったのが
4年前の冬。

手術をされて
しばらく経っていましたが
以前よりも何だか清々しく
削ぎ落とされたような
爽やかさと
若々しさを感じるほど
その時の秋山さんはお元気でした。

「君も稼げるようになったから
次は君のおごりで居酒屋へ行こう」
と帰り際に約束しました。

呼吸のこと
宇宙のこと
言葉のこと
イメージすること
ありのままでいること

お会いした回数は
そんなに多くはないけど
秋山さんが教えて下さったことは
今の私のほぼすべてです。


誰に対しても
優しい言葉を
丁寧に選んで話した秋山さん。

20代だった私は何にでも
すぐ「すみません」でした。
そこは「ありがとう」じゃなきゃ
おかしいよ。
多分それが秋山さんから受けた
最初のレッスン。

言葉の力を意識せず
惰性で使うことの危険を
教えてくれました。

病的に自己評価が
低かった当時の私。

猫背で
暗くて
ファッションセンスの悪さを
「可愛いから許す」と
よく笑われました。

長い間倉庫で眠っていたから
今はまだ埃を被ってるけど
君は素敵なステンドグラスだよ。
これから色んなことを学んで
綺麗に磨いて行けばいい。

名前を頂いた時
そんな言葉で
励ましてくれました。

私の埃は
完全には今もまだ
取れていないでしょうが

あの頃よりは
姿勢良く
ゆっくり深い呼吸で
宇宙からの愛を感じ
特別な場所へ
行かなくても
目の前の物や人たちの中に
チャーミングを
見つけることが出来る
グラマラスな心を
少し持てるようになりました。

昨年の春のメールが
秋山さんからの
最後のレッスンになりました。
「何気ない日常の中に
素敵なもの、チャーミングなものを
見つけられるグラマラスな心を
持てるようになるといいね」


俳優でも
ミュージシャンでもない私に
無償で名前を付けてくれて
磨き方を教えて下さったことを

今日までずっと不思議に
思っていたのですが

秋山さんとの思い出を
振り返っているうちに
その答えを見つけることが
出来たような気がします。

秋山さんは
誰かのことを説明する時、

目がキラキラしている男。
ゴージャスで熱い女。
情熱で拳を震わせているような男。

ある有名な歌手については
歌うと瞳に星空が見える少年。

その人の職業が何だとか
成功してるか
有名か無名か
といった情報はそこにはありません。

地球上で出会えた
素晴らしい生命体。
魅力を感じた自分以外の生命体。
その生命体の本質を
その人の特徴として
私に話してくれました。

何かしらの理由で
私という生命体を
秋山さんが
気に入って下さったのかなと
嬉しく推測しています。


私は今、
秋山さんに読まれても
恥ずかしくないように、
でも変に考え過ぎないように、
このブログを書いていますが

書いているうちに...
本当に私は駄作のまま
何の恩返しも出来ず
1度もご馳走することもなく
お会い出来なくなってしまったと
苦しい波が襲ってきます。

今までの私なら
一旦ここで塞ぎ込み
沈み込んでしまうのですが、
今日は違います。
今はっきりと秋山さんが
私を鎮めてくれているのが分かります。

穏やかで柔らかくて
優しく温かい何かで
心が満たされています。


ありがとうございました。

そして引き続き
よろしくお願いします。
秋山さんが見つけてくれた
生命体のひとつとして
私はこの後もう少し
地球で出来ることを
楽しみながらやっていきます。

グラマラスな心で
日常にある魅力を
見つけてみます。

秋山さん
私は本当に秋山さんと
ご一緒出来て光栄でした。



Feel Good Style by Hana Shintani

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